Kyoto Architectural Design Supervision Association

創立40周年記念行事

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創立40周年記念事業開催趣旨

一般社団法人京都設計監理協会
会長 湯川 君雄

1975年に当協会が発足して40周年を迎えようとしています。
発足当時とは、社会情勢も大きく変化し、それに伴い生活のスタイルも劇的に変化してきました。建築設計の分野においても社会的責任は日々増大しつつあり、環境・防災・防犯・福祉・景観等我々が考慮しなければならない問題も幅広くなると同時に専門化しつつあります。

建築設計を生業とする私たちは、目まぐるしく変化する社会に対応すべく日々の研究・研修は欠かせません。当会でも専門の部会を設け、その時代に対応した研修会や見学会などを数多く開催し、会員事務所の技術向上に努めて参りました。

本年40周年を迎えるに当たり私たち建築設計に携わる者はもちろん、一般府市民にも幅広く関心のあるテーマで「公開講演会」を開催したいと考え、建築設計の原点となっている我々の「生活」「暮らし方」ひいては「人間の本質」等を考えようという観点から記念講演のテーマを選択しました。

人は一日の生活の中でその大部分の時間を建物の中で過ごします。室外を歩いている時でもよほど郊外に出ない限り都市景観の中で暮らしています。建物は人間の生活にとってなくてはならないものであり、人類の進化は建物とともにあったと言っても過言ではないでしょう。有史以来、我々は文化・文明の発展と共に様々な建物様式を生み出し、またその建物様式が人々の生活様式や考え方を創り出してきました。いつの時代であっても、人は用途目的に合った建物を作り出し、よりよい生活空間を求め、住みよい快適な家を求めてきました。しかし、ひとたびその家に住んだ家族にとっては、逆に家の空間が家族関係やそこに住む人々の考え方自体に影響を与えると言えるでしょう。

人は常に便利で快適な家を求めてきましたが、便利な家が人々を幸福に導くとは限りません。近年、各住宅メーカーが「全自動の家」を宣伝していますが、このような家に住んだからと言って必ずしも幸せになるとは限りません。家が人に幸せをもたらすよう古来から、建築前や建築中さらに住んでからも家相や風水を信じ、神に願うのも、何か我々の理解しがたい「家」という環境が、住む人に良い影響を与えるようにお願いしているのです。建築家が、人間にとって本当に良い家を考えるには技術の修得も大切ですが、広い観点から人間の生活の元になっているものが何かを考え、人間の本質的なもの、本来持っている動物的根本を考える必要があります。人間社会はあまりにも複雑になりすぎて、シンプルにその本質を考えることがとても難しくなりつつあります。動物の行動を観察することによって我々が考えさせられることも多々あります。

40thAnniversary_Lecture今回、京都建築設計監理協会設立40周年を迎えるに当たり、京都大学総長の山極壽一先生に記念講演をお願い致しました。先生は類人猿や初期人類の生活に関する研究をされており、ゴリラの研究に関しては世界的な第一人者です。先生の研究によれば、ゴリラの社会では争いを好まず協調を基本とした生活が営まれており、我々人間が忘れ、失ったものが生き続けているとのことです。一見建築とは何の関わりもないように見えますが、人類に近い類人猿ゴリラの生活を通して、我々人間社会を別の視点から見直すことが出来るのではないかと考えています。

集まって住むことの意味、集団での役割、住居はどうあるべきなのか、もう一度皆様と一緒に考えてみたいと思います。

 

 

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