Kyoto Architectural Design Supervision Association

会長挨拶

 会長就任後、1期2年が過ぎました。当協会の歴史、理念を知ることから始め、考えるより行動することを心掛け、多くの活動へ積極的に参加し、正会員、賛助会員の皆様との交流は勿論のこと、関係団体との親交を深めました。
 さて、当協会の昨年度の活動につきましては、京都府、京都市各課との意見交換や各種建築セミナーの開催、若手所員同士の交流会、メーカー等賛助会員による企業PRなど、実践的な活動を通して自己の研鑽や交流を行いました。皆様の献身的なご協力もあり、会として充実した活動を実施できたことに深く感謝申し上げます。

■建築設計業界を取り巻く状況

 国内での災害、世界で起こる紛争問題が常態化し、物価高や記録的な円安など鬱屈な話題が多い1年でしたが、新型コロナウィルスの5類移行後は外国人観光客も増え、少しずつ社会に彩りが戻ってきたと感じます。
 また、大阪・関西万博に向け関西のさらなる盛り上がりに期待が高まっています。経済効果のみならず、新しい技術や文化の革新につながる大きなイベントになる一方、メディアで取り沙汰されている建設費高騰や職人不足の問題は、我々の設計監理業務にも大きく影響しております。そのほか。BIMなど最新技術への対応、人材確保や賃金上昇圧力を加え、我々設計事務所の運営は難しい状況が続いています。我々は社会の変化に追従し、日々の進化が求められています。

■創立50周年に向けて

『松樹千年の翠』という禅語があります。年月や季節に左右されず、美しい緑を保ち続ける松。移ろいやすい世の中で、常に変わらないものこそ万古不易の真実の象徴であるという意味をもった言葉です。1年365日変わらず緑を保つ松の樹も、春には黄緑色の若々しく柔らかい新芽が出て、濃いグリーンの葉は順に茶になり落ちていく。不変の存在であるためには、常に変化をし続けないといけないのでしょう。
 当協会は、万博が開催される来年2025年に創立50周年を迎えます。節目の年を目前にし、本年も皆様のお力添えをいただきながら、諸先輩方が築き上げられた伝統と文化を守り、新しい事に挑戦する風土、若者が夢を抱けるフィールドを築けるよう邁進していく所存です。
 50周年に向けて、京都府、京都市はじめ各自治体や関係団体の皆様方のご理解とご協力を頂きながら、新たな時代に向けての準備を行っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

一般社団法人 京都建築設計監理協会 会長 若野 豪宏

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